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左のカテゴリー・ボタンをお使いください。テーマ別に大まかに分かれており、短い文(日誌・雑記)を省いて並べることができます。


「手にとって」と背表紙はささやく ~ 写真家・マンガ家・小説家たち
『Stranger Passing 』Joel Sternfeld タクシー・ハイヤー会社での私の勤務時間は朝の8時から翌朝の5時まで。 途中の3時間ほどの休憩を含み21時間の仕事を1週間に3度する。仕事を終え、東京・江東区にある営業所から地下鉄の都営新宿線に乗って、千葉県市川市の自宅に戻るのはだいたい7時ごろ。 まずは、買い置きのソバを茹でて朝食にし、そのあと片付けと仕事に持っていった弁当箱を洗って、それが終わると部屋のカーテンを閉めて、ベッドに横になる。 目が覚めるのは、だいたい昼の1時ごろで、まずタバコを吸って、コーヒーを入れるのがいつもの行動だ。 マグカップを片手に持って本棚の前に立ち、上段の左に飾ってある写真立ての中の、幼い頃の2人の娘の笑顔にあいさつをした後、他のスペースに収まっている本をざっと眺め、何となくの気分に任せて指を動かして、並んでいる背表紙にあれこれと順番に触れていく — べつに、そのとき取り出したくなる本がなかったとしてもよい。何も手にしないまま本棚から移動して、ラジオのスイッチを入れにいくか、洗濯の準備を始めるか、また
2 日前読了時間: 2分


彼が撮るからこそ写真から「鮮度」が消える — 写真家・鬼海弘雄 —
『ぺるそな』鬼海弘雄(2005) 鬼海弘雄 (きかい ひろお)。写真家。 現在、私が所有している彼の作品は、 ・普及版『ぺるそな』,草思社,2005 ・『東京ポートレート』,クレヴィス,2011 ・『言葉を写す 鬼海弘雄対話集』,平凡社,2019 鬼海弘雄は、東京・浅草で「人間たち」を撮り続けた。 その撮影のようすを、芸術関連の動画を配信している中国・上海の「一条(yit,イーツァオ)」という会社のYOUTUBEで、観ることができる。 — 東京・浅草にある浅草寺の寺務所付近に彼が立っている。参拝客の邪魔にならないよう、人の流れの傍らにたたずみ、境内を往き来する人々を眺めている。 しばらくすると、撮りたいと感じる人物が通りかかったのであろう、さりげなく彼はその人に近づき「あなたの写真を撮りたいのですが」と声をかける。声をかけられた人は言葉に応じ、撮影に適した光の射す、寺務所の近くの朱塗りの壁の前まで、彼と共に移動する。そして、その壁を背景に、立ち方などの簡単な指示のあと、1メートル半ほど離れて被写体にレンズを向けて、写真家は静かにシャッターを切る。
3 日前読了時間: 5分


ホッパーの絵はドキュメンタリーと言えるかどうか — 「撮るひと」が「絵を観る」ときに思うこと
ホッパー作「夜更かしの人々」(19242) ※注記 上の画像、エドワード=ホッパーの絵画『夜更かしの人々(Nighthawks)』(1942)は、2017年に著作権の更新が放棄されています(パブリックドメイン)。そのため私は本文中にこの画像を使用しました。 この絵をはじめて観たのは、約30年前に訪れたアメリカのシカゴ美術館での展示でした。それ以来、ホッパーの作風に興味を持ち、2000年の東京・Bunkamura ザ・ミュージアム『エドワード・ホッパー展』や2011年、国立新美術館『モダン・アート,アメリカン』展で、ふたたび彼の作品を観る機会を得ました。 エドワード=ホッパーの絵の題材の多くは、彼の完全な空想ではなく、実在の風景や人物にによるものです。 本文のはじめに載せた『夜更かしの人々』の作品の舞台となっているバー・カウンター付きのダイナー(レストランか?)、NYマンハッタンのグリニッジ通りにかつて実在しました。彼はこの場所になんども通ってスケッチとメモをおこなっています。そして、この絵の場面の登場人物 — 深夜のバー・カウンターに座る1組の男
4 日前読了時間: 4分


動画よりも活字よりも、見たくなる — 不思議な写真集を「解体する」
風呂場の湯船に浸かって小説を読んだりタブレットでYOUTUBEのニュース動画を観たり、食事のあと、コーヒーを飲みながら写真集を眺めたりなど、これらのこと — 何かを読んだり・観(見)たりするのを、自宅で過ごす自由な時間に私はおこなっている。 その中で、「読む」や「観る」に比べて、特に最近は「見る」に時間を割くことが多い。写真家の本や美術雑誌のバック・ナンバー、画家の作品集や図録などを本棚から取り出してよく見ている。 その中でも気に入っているのが、スティーブン=ショア『作品集』だ。 これは、カラープリントの写真がアートとして認められ始めた1970年代の初頭より活躍している彼の、スペイン各地でおこなわれた大回顧展にあわせて作られた解説本で、これまでの仕事と業績についての記事だけでなく、キャリアにおいての彼の代表作の写真が数多く収録されている。その大きさは最大23×27センチで、たとえば有名な写真集である『American Surface』や『Uncommon Places』ならその全ての写真が載っていて、見ごたえがある。 やはり、最も評価の高い『Un
4 日前読了時間: 4分


不親切だが、温かい写真集『A pound of Pictures』アレック=ソス(2022)
A Pound of Pictures Alec=Soth 『A pound of Pictures』は、アメリカの写真家 Alec Soth が2022年に出した写真集です。彼はおもに北米大陸の中西部を旅し、行く先々で出会った風景・静物・人物を撮影して、それらを66点にまとめてこの1冊の本にしました。 タイトルは、直訳すれば「総重量1ポンド(約450g)の写真たち」となりますが、これは彼の意図するものではないでしょう。おそらく「ざっと一掴みの、取るに足らない写真たち」といった意味のタイトルだと私は思います。 確かに66点の写真を見通しても、訴えたいメッセージや読みとってほしいテーマなどは浮かんできません。せいぜい「アメリカ内陸部に点在する中核都市の街角の様子や近くにある自然(森林や滝)と、そこの人々の生活の一部が何となく伝わってくる」くらいのものです。 写真集『A pound of Pictures』は、作者の考える脈略がわかりやすく伝わるような順序で写真が収められた本ではありません。都市風景写真・ポートレート・街角にある静物を捉えた
4 日前読了時間: 2分
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