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これからも「美しきもの」を探していくために ~ 少年は何㎜レンズで彼女を見たのか ~
日常の記録のためにカメラで写真を撮る人は今、ちまたに数多くいる。 スマート・フォンのカメラ機能や手軽なコンパクト・カメラを使っている人たちがほとんどだが、その仕上がりに満足できず、一眼レフ式のカメラを用いて本格的に撮るようになったという人も中には沢山いるだろう。 一眼レフ・カメラには、交換のできる様々なレンズが揃っており、写すことのできる範囲や画像の拡大性能によって「広角・標準・望遠」などと大別され、好みや用途によって撮影者はそれらを使い分ける。 レンズにはそれぞれに特性がある。 たとえば、ひとりの人物を主題として撮るときは、人間が何かを注視した時の視野に近い自然な撮影画角とされている「標準レンズ」よりも、画角はもっと狭くなるが、被写体となる人物が少し遠くにいても画面の中に大きくとらえることのできる「中望遠タイプ」のレンズのほうがよいとされている。 たしかに、このレンズを使って、5メートルほど離れた地点から撮りたい人物に向かってカメラを構えると、その全身を画面に大きく収めることができ、且つ、レンズの特性上、ピントの合う範囲が狭いので、被写体を場面
3 日前読了時間: 6分


では、タテ位置のほうが「有効」な場合は?— 写真のフレーミングについて
この2枚の写真、主題の「移動」を感じますか? 「画像はヨコ位置が基本である」— これには、文章に入れる「挿し絵」や記事に添える「説明写真」とか、あるいはポスターやリーフレットといった宣伝・告知の「素材」として等ではなく、単純な「1枚の画像」として成立している場合、という大条件が付きます。 これからお話しする「では、タテ位置のほうが有効性を発揮するのは、どのような画像(絵・写真)のときなのか」についても、この大条件を踏まえたうえで、どうかお読みください。 上の、横に並んだ2枚の写真をみてください。 右は、むかし友人が撮ってくれた20代の私のポートレートです。 狭い自宅の壁や本棚を背景に、私という「人物」を主題としてフレーミングして撮影してくれました(オリジナル画像)。 左は、その写真を左右・反転させたものです。 右と比較して、こちらはどうでしょう。こんどは「壁・本棚・部屋の奥行き」が主題になり、手前にいる人物のほうは、この画像においては副次的なモチーフとなるように見えてきませんか? この「カラクリ」について説明します。 人間の脳の視覚情報処理は「視
3 日前読了時間: 4分


彼が撮るからこそ写真から「鮮度」が消える — 写真家・鬼海弘雄 —
『ぺるそな』鬼海弘雄(2005) 鬼海弘雄 (きかい ひろお)。写真家。 現在、私が所有している彼の作品は、 ・普及版『ぺるそな』,草思社,2005 ・『東京ポートレート』,クレヴィス,2011 ・『言葉を写す 鬼海弘雄対話集』,平凡社,2019 鬼海弘雄は、東京・浅草で「人間たち」を撮り続けた。 その撮影のようすを、芸術関連の動画を配信している中国・上海の「一条(yit,イーツァオ)」という会社のYOUTUBEで、観ることができる。 — 東京・浅草にある浅草寺の寺務所付近に彼が立っている。参拝客の邪魔にならないよう、人の流れの傍らにたたずみ、境内を往き来する人々を眺めている。 しばらくすると、撮りたいと感じる人物が通りかかったのであろう、さりげなく彼はその人に近づき「あなたの写真を撮りたいのですが」と声をかける。声をかけられた人は言葉に応じ、撮影に適した光の射す、寺務所の近くの朱塗りの壁の前まで、彼と共に移動する。そして、その壁を背景に、立ち方などの簡単な指示のあと、1メートル半ほど離れて被写体にレンズを向けて、写真家は静かにシャッターを切る。
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