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これからも「美しきもの」を探していくために ~ 少年は何㎜レンズで彼女を見たのか ~
日常の記録のためにカメラで写真を撮る人は今、ちまたに数多くいる。 スマート・フォンのカメラ機能や手軽なコンパクト・カメラを使っている人たちがほとんどだが、その仕上がりに満足できず、一眼レフ式のカメラを用いて本格的に撮るようになったという人も中には沢山いるだろう。 一眼レフ・カメラには、交換のできる様々なレンズが揃っており、写すことのできる範囲や画像の拡大性能によって「広角・標準・望遠」などと大別され、好みや用途によって撮影者はそれらを使い分ける。 レンズにはそれぞれに特性がある。 たとえば、ひとりの人物を主題として撮るときは、人間が何かを注視した時の視野に近い自然な撮影画角とされている「標準レンズ」よりも、画角はもっと狭くなるが、被写体となる人物が少し遠くにいても画面の中に大きくとらえることのできる「中望遠タイプ」のレンズのほうがよいとされている。 たしかに、このレンズを使って、5メートルほど離れた地点から撮りたい人物に向かってカメラを構えると、その全身を画面に大きく収めることができ、且つ、レンズの特性上、ピントの合う範囲が狭いので、被写体を場面
3 日前読了時間: 6分


まちにあるものたち(文の着想を、写真から得る)
大師線の鈴木町駅に停車しているあいだの車内で、自動ドアの開いている出入口の脇に立って出発を待っていると、さとう醤油を焦がしたような甘いにおいを外の空気から感じる。それは例えば、駅の近くの売店から流れてくるというような局所的なものではなく、もっと、この一帯に広く漂っているような感じで、におってくる。 京浜工業地帯の一角を担う神奈川県・川崎市。その中心にある川崎駅から多摩川の最下流に沿うようにして京浜急行電鉄の大師(だいし)線は走っている。「鈴木町」(すずきちょう)は始点である川崎駅から数えて2つ目の駅だ。 なぜ、鈴木町では甘いにおいがしているのか。 以前、大師線沿線の工業地域に暮らす人にそのことを訊くと、この駅の近くにある大きな食品工場では家庭用のうま味調味料を製造していて、その原材料である「グルタミン酸」の甘い臭気が一般の地域にまで流れ出てきている ― そう教えてくれた。 この駅で停車中に、このにおいを感じることで、ここは製造業の都市・川崎であるということを今いちど識(し)ることになる。 春の終わりの、あたたかな日の午後。今日は、川崎駅からこの
3 日前読了時間: 5分
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